行く先の転帰 ゆくさきのてんき


なぜ?
どうして?

そんな言葉が頭の中がイッパイで・・・・


「え?
 最後通告・・・ですか?」

「はい、
 『現状の世界情勢を艦みず、地球の一国家として責務を放棄し、
  頑なに自由に安寧のみを追求し、
  あまつさえ、再三の協力要請拒否の姿勢を崩さぬオーブ連合首長国に対し
  地球連合はその構成国代表として以下の要求を通告する。
  一、オーブ連合首長国現政権の即時退陣
  二、国軍の武装解除ならびに解体
  四十八時間に以内にこれらの要求を受け入れなき場合、
  地球連合軍構成国は、オーブ連合首長国をザフト支援国家と見なし、
  武力を持って対峙するものである』
  との事です」

「それは・・・」

「降伏勧告ですね」

広い部屋に大きな椅子と机、が2つあり
端には来客用のソファーが置かれている部屋に
少女の戸惑いの声と青年の無感情の声が響き
自分用のデスクについていた少女へと
読まれた文字が書かれている書類を手渡し

「すでに、大西洋を連合艦隊が南下中です」

「艦隊が?
 合意しなければ即、戦争と言う事ですか・・・」

手渡れた書類に目を通し、
言葉では理解したくなかった事を目で確かめ
落す様に手放すと、眉を上げ感想を言うが

「すでにユーラシアに疲弊し、
 赤道連合、スカンジナビア王国など中立を貫いてきた国々も、
 すでに連合につきました」

「そんな・・・
 じゃぁ、コーディネイターの住民は!?」

「プラントへと移送されたのでしょう」

「なんてコトを・・・」

今まで手を取り合い、互いに協力する事で生活が出来ていたのに
こうもアッサリ見捨てるだなんて・・・

無意識に握られた握りこぶしに力を入れ
少女が怒りを押さえ込んでいると、

「トモエ様ならどうしますか?」

「え?」

突然の問いかけに、怒りを押さえ込む事に必死になっていた
言葉の意味が解らず聞き返すと

「連合からの要望をトモエ様なら、どう決断をしますか?」

淡々と紡がれる言葉に、
驚き、

「わ、ワタシですか?」

上擦った声で返すと、再び頷き

「そうです。
 連合からの要望を飲まなければ攻められます。
 反対に、従えばオーブは中立では居られなくなり、
 戦争へと参戦しなければならない。
 トモエ様ならドチラを選ばれますか?」

中立を保つ為に連合を敵に回すか
それとも
協力し中立を止め戦争へと参戦するか

どちらを選んでも住民に被害が及ぶ・・・・
それに、今までの様な日常は送れなくなる・・・

中立を保つ為に連合を敵にするか
連合になりザフトを敵に回すか

どちらを選んでも戦う道になる

だったら・・・・・・

「中立を保ちます」

長い沈黙が続くが、考えが決まったのか
は目の前に立っている青年の目を見
力強い声で答えを出す。

「では、連合に刃を向けるとおっしゃるのですね」

の答えに再び問いが返ると

「コーディネイター、ナチュラル
 どちらを選ぶなんて出来ません。
 今まで通り、中立を選びます」

他国を攻めない、侵略を許さない

どちらかを無くそうとうしているなんてイヤだ
どちらも選べない。

だったら・・・

「なるほど・・・
 トモエ様のお考えは解りました」

無表情だった顔が微笑み
頷くと、の表情の緩み

さんの満足のいく答えが
 出せて良かったです」

ほっと張り詰めていた息を吐き出し
言葉をかけると

「もし、連合の傘下に入ると言う答えをお出ししたら
 どうしようかと思っていたのですが、トモエ様は
 きちんと国民の事も考えて下っていた様で安心しました」

目を伏せ、口元を挙げ
穏やかな声で言葉を作ると

「え?いえ、その・・・」

の褒め言葉にテレ、頬を赤らめ
笑いを浮かべていると

「ウズミ様を始めホムラ代表首長方々は
 『かわらず中立を貫く意思に変わりはない』
 そう、連合に返事を返しました」

表情を硬くし、気を抜けている
現在状況を告げると、瞬時にの表情も硬くなり

「連合からの攻撃を受ける事になるのですね」

刺すような眼差しをに向け言葉を出すと
頷き

「現在、外交を通しオーブの意志を告げていますが
 連合軍が受け入れるとは思いません。
 よって、明後日の09:00に攻撃が始まります」

告げられる言葉に眉を顰め

「明後日ですか・・・・
 連合軍の方はパナマを落され余裕が無いみたいですね・・」

こぼれる様にが言葉を漏らすと

「目的はモルゲンレーテとマスドライバーですからね。
 早急に手に入れ宇宙へと出たいのでしょう」

無表情のの言葉に、驚きの表情を一瞬みせるが
世界の現状を思い出し机に置かれた用紙を睨む

そんなの表情を見つめながら
は言葉を続けた。

「今、カガリ様とサカキ一佐がラミアス艦長へと自体の報告へ行っております。
 それと、アークエンジェル内には捕虜が1人いるそうです。
 如何なさいますか?
 トモエ様」
 
「捕虜ですか・・・」

「はい。
 ラミアス艦長の話によりますと、オーブからアラスカへと向かう途中の
 戦闘で捕虜になったそうです。
 名前は、ディアッカ・エルスマン
 X103バスターのパイロットです」

「ディアッカ・エルスマン・・・・・」

告げられ、声に出して名前を言うと
金色の髪を持つ少年が思い出された。

トモエも知っている人物

思い浮かぶ人物からの親しげな表情と雰囲気に驚きと戸惑いを感じ
困惑するが、が答えを待っている事を思い出し

「ココは中立のオーブです。
 そのオーブに居る以上、たとえアークエンジェルでも
 法に従って頂きます」

「では、釈放するように・・・」

「私が直にラミアス艦長へ通信します」
 
宜しいでしょうか?
 
の声との声が重なり告げると
どこか不安そうな表情をしたを見つめていると

「解りました。
 時を見計らって通信を入れましょう」

微笑しの意見を受け入れいると
に部屋を出る様促しウズミや各首長達がいる部屋へと向かった。

「失礼します」

せわしく動く人々、なにやら騒がしく対応する人々を見ながら、
入室して行くと険しい表情をし立っていたウズミとホムラに敬礼し
自分の存在を知らせると

とトモエはモルゲンレーテへと出向き、
 防衛の準備の指示を出し、エリカ・シモンズの手伝いをして貰いたい」

太陽の光を反射して光っている穏やかな海を背景に立つ
ウズミの言葉に敬礼をし是と答えると
入ってきたばかりの部屋を出、廊下を歩き、
緊張感が漂うドックへと入って行くとエリカを数人が取り囲み指示を仰いでいた。

張り詰めた空気
焦りと緊張感
不安と恐怖

さまざま感情が混ざり合い混沌とした雰囲気の中
が姿を現すと混ざり合った空気が解けだし
どこか安心感が出はじめるが、
エリカとのやり取りから緊張感を感じ取り、
さらに今までに見たこと無いの表情に現在状況の悪化を感じ取り、
運ばれてくるバスターの修繕を支持をより受けると、
外装のチェック・ランチャーの磨耗箇所などの作業をする。

技術師と同じ作業服を着たがコクピットに入り
OSを立ち上げ、自爆装置の撤去を主とした電動系のチェックに入り
数人の技術師達と討論をしながら作業を進め、
迫り来る定められた時間との戦いをしていた。

アストレイトを中心とした配置を組む為には
何十体という数の整備、点検がなされ、
さらにザフトの手に渡りOSの組み換えをされているバスターが増え
作業人数、器具を余裕が無いほどギリギリでの作業を昼夜行い
誰もが疲労の色を濃くしていく中、アークエンジェルの参戦の話が広まり
落ち気味だった戦意が再び上がった。

アークエンジェルの参戦は、
今まで過酷な戦場を乗り切ってきたストライク
マリュー・ラミアスを始めとする戦場を乗り切ってきた元軍人達の経験
そして、
未知数の動きをするであろう
Nジャマーキャンセラーを搭載したZGMF−10Aフリーダム

負とした雰囲気を吹き飛ばせるだけの存在感を見せる
大天使と名が付いた戦艦に積まれているMS

この、オーブにいるだけで良かった人達が友軍として
戦いに参加に誰もが喜んだ。

喜び、手を打ち合う中人々を苦笑しながら見ていた
内心、声を出し泣き出したい程、後悔をしていた。

大切な人々が戦場へ行く寂しさ
もう、2度と笑う姿が見れないかもしれない不安
誰よりも大切な人が戦場へと送り出さなければ地位

笑っていて欲しい只1人の人が未知のMSに乗り
最前線へと行ってしまう悲しみ

戦場へ行けと命令を下す、自分の立場

どうして?
何故?
こんな事になってまったのだろう?

疑問と後悔
が、頭から離れずにいる

1分 1秒
時は止まらずに進み

暗くなっていた空から、新しい1日が始まりを告げる太陽が
朝日と言う名を持ち時を告げた。

『かわらず中立を貫く意思に変わりはない』

最後のオーブの意志を迫り来る連合艦隊に伝えると
ドックを始め、司令室・官制室等、地位を持つ者達が慌しく通達を言い渡し
ソレを伝える為に、声に出したり、別室へと移動をしたりと
張り詰めた空気の中、を伴い通信をしていた。

「捕虜となっているディアッカ・エルスマンの釈放ですか?」

戸惑いを見せる相手に、

「このオーブは中立国です。
 これからもその考えを変える気はありません。
 アークエンジェルがこのオーブにいる以上はオーブの法に従って頂きます」

凛としたの声は
別人ではないかと疑いが出てくる様な雰囲気の違いに
今だ戸惑いの隠せない相手を真っ直ぐと見

「アークエンジェルのクルーの皆さんはオーブの考えに賛同して
 義勇軍を申し入れて下さったとお聞きしておりますが、違いましたか?
 それとも、連合軍に復讐の為、友軍として名乗りを上げたのですか?
 お答え頂けますか、マリュー・ラミアス艦長殿」

画面に映し出されるマリューが息を呑む音が聞こえるが
きつくしている視線を緩める事無くいると
意を決したのか口を開き

「私達は、連合軍の考え・やり方に疑問を持ち
 オーブの考えに賛同し、また、自分の国を守ると言う考えを持つ者達が
 この艦に残り、義勇軍として戦う事を選択しました。
 けして復讐という考えを持って義勇軍に申し込んだつもりはありません」

「では・・」

「捕虜として拘束をしていたディアッカ・エルスマンを釈放します」

「有り難うございます」

「ですが・・・」

お互い、画面を通し駆け引きをしているかのような雰囲気を
出し、淡々と話していたマリュ−が言葉を濁し
言葉を止めかけるが

「今、釈放しカーペンタリアへ戻れば
 オーブの現状が報告されるのではないでしょうか・・・」

再び先ほどの口調に戻り
へと問いかけるが

「オーブ側は問題ありません。
 カーペンタリアから会談の申し入れがありましたが
 私達の考えは変わりません。
 報告されても困るような事はありませんよ」

やんわりと語尾を緩めると
マリューの雰囲気も緩み

「解りました。
 ディアッカ・エルスマンの準備が出来次第
 釈放いたします」

「お願い致します。
 それから・・・・」

釈放の言葉を聴きが微笑み終了の雰囲気を出す言葉を言うが

「義勇軍を申し入れて頂き有り難うございます。
 オーブの上に立つ者として感謝します」

礼と共に敬礼をする
驚くにも瞬時に表情を引き締めマリューも敬礼をし返すと
互いに通信を切り画面が黒く変わるとは体の中に重い息を落し

「後、3時間後ですね・・・」

苦渋の表情と気持ちを出した言葉に、
は目を閉じ静かな声で

「そうですね」

の返すと、は着替えの為席を外し
の後姿を見送ると、
机の上にかれている書類を纏めファイルへと入れ
軍服から作業着へと着替えたの後ろへ控え
モルゲンレーテへのある1室へと入っていった。

無数に映し出される画面
声が飛び交い
慌しさを見せている室内に入ると
映し出される連合の艦隊
出発まじかなオーブ軍の艦隊
オノコロ島の全体地図

赤く点滅した場所にはアストレイトが配置され
連合軍のストライクダガーを迎え撃つ

軍と言えども今まで模擬しかしてこなかったオーブにたいして
コーディネイターが組しザフトと戦争をしている連合軍

勝敗は予想するまでも無い

だが、分かっているからと言って引けば自分達の意志は通らず
流されるままになってしまう・・・

自分達の意志を見せるのは戦うしかない

戦争でなくても同じ事で

ただ、武器を手に持ち戦うかどうかの違いだけ・・・・

願う事は独りでも大切な人が帰って来る様に・・・

指示を出し、前線へと行けない自分が唯一出来る事の1つ
1人でも嘆き悲しみ恨む事がない様に戦略を考え
そして、

祈る

上に立つ者として許されぬ行為かもしれない・・・

人ではなく形無き者に頼む事は・・・

でも、

許されなくても祈りを止める事は出来ない

唯一の寄りかかる事が出来るモノだから・・・

技術者からの問いかけ
通達を読み上げる軍関係者の声に答えながら
時を費やす

2時間後に迫れば
パイロット達の前に立ち、
作られた文章を読み上げ、敬礼をしまわる

皆、真剣な表情の中に覚悟と恐怖心を混ぜ合わせていた。

軍服から作業着へ

作業着から軍服へ

数分の間で着替える服と気持ちに
息をするのも嫌になる気分を内に秘め

配置されていくアストレイト
連合の軍艦を射程距離に入れた戦艦
ドックに待機をしているアークエンジェル

「アークエンジェルはラミアス艦長の指示で動いてください
 こちらから指示を出す事はしません」

「了解しました」

短いやり取りの中、画面に映し出されるマリューの表情は硬くはあるものの
恐怖心を感じ取る事は無かった。

経験の差
1つの戦艦の艦長を肩書きに持つ人物の器か

そんなマリュ−の雰囲気はに微量の心のゆとりを与えた。

彼女は戦いの女神なのかもしれない・・・
大天使と名の付いた白い戦艦を操り指示を出す
そんな姿を見せながらもドコカゆとりを与えてくれる

違和感を感じるほど冷静な頭がそんな事を考え
そんな時ではないのに・・・
と、内心苦笑する中

目に見えない空気が刃の様に肌を刺す、
呼吸をすれば、本当に肺まで酸素が届いているのか疑いたくなる様な息苦しさ

緊張を混ざった空気が重りとなりのしかかってくる

無音とかした空間の中に声が響く

「連合軍戦闘を開始しました」

冷静な声が響くと
部屋にいる船員が戦艦を映し出されているモニターに注目した。

連合軍から巡航ミサイルがオーブを目指し打たれ、
それを阻止しようとオーブ軍の戦艦がミサイルを打ち落とす様に打つ。

「アークエンジェル発進します!」

大天使は戦女神の声に従い戦場とかした大海原へと出て行く。

陸へと目指していたミサイルはアストレイト部隊
発進したアークエンジェルのゴットフリートで数を減らされると、
陸地へとモビルスーツ部隊が降り立つ。

「敵、モビルスーツ部隊イザナギ海岸に上陸しました」

オーブ軍作戦司令室からの通達を読み上げられると
すぐざま

「オノゴロ上空の大型機からストライク・ダガー!」

降り立つ場所にはアストレイトが配置されており
ダガーが土の上に着地する瞬間、
戦闘開始を告げた。

打ち合いをするアストレイトとストライク・ダガーが映し出される

「GAT−X105 ストライク
 ZGMF−X10A フリーダム
 出撃しました」

オペレーターの言葉が耳に届くと
見ていたモニターとは違うモニターに視線を移すと
白を主とした塗装をした2体のモビルスーツが映し出されていた。

ストライクはオノゴロの陸地
フリーダムは上空

別々に映し出される機体を見ていると、
フリーダムが5つの銃口からダガーを狙うと
瞬間に数体のダガーは動きを止めた。

無限のパワーを持つフリーダムは止める事無く撃ち続ける。

誰もが目を見開き驚きを見せ、動きを止めると言う隙を与えると
ストライクが見逃す事無く1体のダガーの動きをビームサーベルで止めた。

フリーダムとの模範練習の成果か、
それとも経験からか
初陣となるストライクのパイロットであるムウ・ラ・フラガは
キラ・ヤマトが乗っている時の動きを見せた。

少しづつ対等な状況が作られていく中

状況は一変する

モニターに映し出されているアークエンジェルが戦闘を止め
動きを急変させた。

の隣で添うようにモニターを見ていた
目を細め、睨み付ける様にアークエンジェルを見ていると
黒い色のMSがアークエンジェルを捉えると
状況を察したフリーダムが援護の手を出した。

「護衛艦隊沈没しました・・・」

室内に異様に響いた声と映し出されていた映像に唖然とする中
を悟られない様に声をかけ

「データーに無いMSですので、
 今後、コチラで対策を取れるように情報の採取を指示して下さい」

小声で告げられるの言葉は
ざわついているオペレータ達の声にかき消されてしまうぐらい小さく
聞き取る事が出来たは呆然としていた意識を戻し
の顔を見ると頷かれ

「連合軍MSのデーター採取をして下さい」

冷静になる為、一呼吸置いたの指示が出ると
ざわめき浮きだっていたオペレーター達が作業に戻り
手を動かし、言葉で役割を決めると
3対の機体の解析が始まった。

「状況に流されず、しっかり意志を持ってください」

作業を見ていた
モニターから視線を動かさないが声をかける。

教育者と悟られぬ様に、モルゲンレーテに入る時は
と同じ職役にいたの言葉に、
自分がどれだけ態度に出て、
上に立つ者として役割を果たしていなかったか気付き

「すみません・・・」

誤りの言葉を入れると

「今後から気を付けて下さい。
 今はカガリ様が作戦司令室で指示を取っていますが、
 状況によってはトモエ様も同じ立場になられる事がある可能性もありえます。
 その時に今の様では勤まりません」

かわらずモニターを見続けるの言葉に頷き
からモニターの1つへと視線を移すと
先程出てきた連合の3機を相手にフリーダムが応戦していた。

が、3対1

いくら未知の機体でパワーを心配ないと言えども
パイトットは人

隙が出来る事は解っている。

キラお兄ちゃん・・・・

モニター越しで見ていることしか出来ない
最前線でフリーダムに乗るキラの機体に釘付けになったが
慌て息を切らした作業員に意識を取られ
話を聞くと、を目を合わし案内させると
金色の髪を短髪にした肌を日に焼けた色の青年が、
苛立ちを見せ対応している作業員へと怒鳴り散らしていた。

、そして作業員の3人の足音を聞き
存在を確かめた作業員達が縋る様にに視線と
名を呼ぶ呟きを送る。

「何かありましたか?」

息を切らし助けを求めてきた作業員から大方の話を聞きはしたものの
そしらぬ様に言葉をかけると
対応していた作業員が視線を動かし

「ヤマト主査・・・」

名を呼び、体を横へずらしに場所を譲ると
の姿を捉えた青年の表情が怒りから驚きに変わり

「お前!
 なんでこんなトコロに!!」

「お久しぶりです。
 ディアッカ・エルスマンさん」

微笑み青年の名を呼ぶと

「お前・・
 そんな事は今はいい。
 バスターを返して貰うぜ」

顔見知りに合った為か先ほどの怒りは無くなり
強気を見せる言葉に

「できません」

の言葉が切り捨てた。

考える事も、馴染みの優しさも無いの言葉に
の胸倉を掴み

「元はオレのだ
 保持者が返せと言えば返すのが普通なんじゃねぇの?
 ・ヤマト主査さんよ」

脅しを含んだ言葉にもの態度は変わらず

「元はモルゲンレーテのモノを貴方方ザフトが奪ったのです。
 保持者とおっしゃるなら、
 このモルゲンレーテに、その権利があります」

敵を見据えた態度のままでいると

「アンタ達ナチュラルにバスターが動かせる訳ないだろ、
 アレはコーディネイターである俺達に合わせてOSが組んであるんだ、
 ナチュラルなんかに動かせる訳が無いんだから
 さっさと渡した方が身と為だと思わないわけ?」

ディアッカの態度は更に脅しをかけ
皮肉を混ぜだし、見守っている者の冷静さを失う様に仕向ける


「ディアッカさんの言う通りです。
 ですが、今、連合軍と戦っている。
 この現状でバスターを渡す事は出来ません」

サフトという存在を増やす訳にはいかない・・・

この場にいる全員が思う事をが言葉にすると

「知ってるから手を貸してやろう
 て、言ってんじゃねぇか!」

ディアッカの叫ぶ声はドック内に響き渡り
聞いていた人々は思いも寄らない言葉に驚いていると

「手を貸す、と言う事はどういうことですか?
 オーブはカーペンタリアからの要請を断ったはずですが?」

冷静なの声が返されると
作業員は驚きの表情から眉間に皺を寄せ疑いの視線で
ディアッカを見るが

「オレ個人で手を貸すて言ってるんだ
 理由なんてねぇよ!」

まじかで言葉を聴いたは探る様に
ディアッカの目を見

「解りました。
 バスターを準備して下さい。
 それとパイロットスーツはお持ちですか?」

逸らす事もせず見つめ返してくるディアッカの言葉を信じ
希望通りバスターの準備指示を出すと、掴まれていた胸倉を離し
手に持っていた紙袋から赤色のパイロットスーツを出すと

「更衣室へと案内しますので、
 着いて来て下さい」

ディアッカ個人のパイロットスーツを見ると
言葉が言い終わる直前にディアッカに背を向け
歩き出すと、自分の後を付いてくる2つの気配を感じ取った。

忙しく動くドックを抜け
個室である部屋へ案内すると

「あいかわらずの、その性格直した方がいいよ。
 ディアッカ
 じゃないと、また、イザに怒られるよ」

室内へ入る為、の横を通り過ぎようとしたディアッカに
聞こえた言葉に驚き、を見ると
不適に微笑んだの表情が目に入り
先程との違いに言葉を出す事を止めていると

「忘れてるなんて酷いんじゃない?
 あれだけ劇的な対面をした私を忘れるなんて・・・
 もう1回、モップで殴ってあげようか?」

揶揄を含んだの言葉に
睨み、

「どうしてお前がその事を知っているんだ!?
 アレはイザークとラクス
 それにトモエしか知らない事を!?
 お前はいったい・・・」

今まで以上の怒りを見せるディアッカに

「終わったら何もかも話すから
 今、この場所では答えられない」
 
苦笑で返すを更に睨み
案内された部屋に入って行った。

そんな2人のやり取りから、の考えを見抜いた
ディアッカの姿が見えなくなるのを確認すると
だけに聞こえる様に名を呼ぶと

「トモエ様・・・」

「ディアッカにだけは知っていて欲しいんです」

友達だから・・・・

目を閉じ、記憶を思い出しているのか表情を悟らせない
ため息を付き

「解りました。
 必要なモノが要りますね、準備します」

兄の様な親しさと優しさを同時に見せると
は微笑み頷くと、着替え終わったディアッカを連れ
ドックへ戻り、コクピットに入るディアッカに機体の説明をする。

「機能は変わっていません。
 アナタ方が組んだOSのままです。
 今までと同じ様に動きます」

狭いコクピットでの説明を聞きつつも
を睨み続けるディアッカに苦笑し

「秘密ごとは深夜に話す
 ディアッカの聞きたい事にも全部答えるから
 睨むのは止めて欲しいんだけど・・・」

事務的な声から、感情が含まれた声に変えたにも関わらず
疑いと怒りの目を止めないディアッカにため息を付き

「男らしくなぞ。
 ディアッカ・エルスマン!」

片方の口端だけを上げ
強く言い切ると
目を見開き驚いたディアッカを視界に入れ
バスターから離れると

「ディアッカ・エルスマン
 バスター、出る!!」

言葉を残し、戦いが行われている地上へと出て行った。



    +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


         第18話

              長いですね・・・スミマセン
              どこで切ればいいのか解らずココまで書いてしまいました・・・

                                               2003 12 2